だるま屋:配布広告(売場増設)
箱番号+整理番号
PP329-018
発行主・広告主
だるま屋
旧蔵者
萬年社
内容
その他広告スクラップ
内容日付/文字情報/備考
配布ビラ
売場増設東館一階コドモの国
コドモの国を
今度売場に致しました
食糧品と
お菓子と
二つの売場を そこにうつしました
食糧品売場には
和洋支御馳走の折詰
御弁当のおかず
御夕食のお惣菜
牛肉、玉子、天ぷら
洋酒、缶詰、鰹節
佃煮、果物、昆布類
突出し物からお漬物まで
一切がとりそろえてございます
お菓子売場には
生菓子、玩具菓子、袋物
餅類、洋菓子、パン、納豆
お饅頭に砂糖、羊羹
羽二十餅、けんけら、煎餅等
どうぞ
一度ごらん下さいまして
御利用のほど
御願い致します
清新なる設備
充実した内容
十一月一日より
特売品
産地より直接とり入れました御徳用の特売品
味付海苔 東海産
もみ海苔御徳用品 東海産
からし漬 琵琶島産
とてもうまい 静岡産
精肉 地肉
梅肉 今庄産
茶 静岡産
貝柱 北海道産
新巻鮭 北海道産
十一月の少女演劇
初舞台あけてから一周年記念
選ばれたる秋のヴァライテイ
喜歌劇「仇同志」 (一幕四場)
服部瀬左衛門と稲垣半兵衛とは 何れも加賀藩名代の勇士 それがどうした理由か 犬猿も啻ならざる間柄で会へば必ず喧嘩する 果ては決闘をも仕兼ねない程 双方の感情は硬ばつてゐた 或日瀬左衛門が 殿様のお召しにより登城する途中 半兵衛の下向と行き違ふ どうしてこのまま分れ行く両人でありませう 狸山猿と悪体の限りを盡し 僅かに下僕の取りなしで 燃え立つ激怒を抑へてこの場は分れました 瀬左衛門殿様の前に伺候して平伏したが 胸中の憤懣は尚も消えず殿の仰せも一向耳へはいらなかつた 再び問ひ返した時 娘の花に大槻内蔵之亟を世話するといふ殿の御諚 瀬左衛門聞いて驚いた 大槻内蔵之亟(加賀騒動の張本人)をば日頃から不忠不義の奸賊呼りをしてゐたのであるから 娘を世話されてはたまらない 窮余の一策 娘花には先約がござりますと言上すると 意地悪の殿様は相手の男はだれだと追及する 折柄頭の中には 憎き稲垣との一念が炎の様にもえてゐたので 我知らず稲垣半兵衛と口から出てしまふ 殿様は殿様は両人の間柄を御存じだから からかひ気分で それは似合いだ媒人をしてやらうとの仰せに今更お断りする訳にもいかず 悄然として帰つてきます
瀬左衛門宅では妻お貞と娘お花は 夫の不時の登城を何事ならんと気遣つてゐる処へ 瀬左衛門折萎れて帰つて来ます 一部始終を聞いて母も子も瀬左衛門の不用意不謹慎を詰り恨み泣く 瀬左衛門立つ瀬を失つて切腹して申分をしようとするのを お貞は押止めて これは稲垣様へ頼んで よい分別を相談するがといふ そして嫌がる瀬左衛門を無理やりに半兵衛の所へ出向かせます
半兵衛は 瀬左衛門が来たといふので 約束通り真剣勝負に来たものと思ひ出迎へる すると話の調子がすつかり違つてゐて 瀬左衛門の頑固一徹ではあり乍ら武士らしき忠誠と素直な心臓に打たれる そこで瀬左衛門の言ふ通り娘の花を貰ふことを誓ふ 傍にゐた半兵衛の妻お幸は 私はどうなるのかと恨み泣くのを尻目にかけて『なあ服部 合せものは離れ者だ 今日婚姻しても明日離縁をするのもあるからな』と胸中の秘策をほのめかすと 瀬左衛門もそれを察し『さうだ貴様気変わりがせぬ中に離縁しろ』とすゝめます ユーモアの中に漂う武士気質の痛快な短編
悲歌劇 「雀追ふ母」 (三幕四場)
陸奥椽平正氏は国守の違格に連座して筑紫に流罪となる その後十数年 消息絶えたる正氏の安否を尋ねんと母陸奥の方は安寿姫と厨子王及乳母の姥竹を伴ひ 遥けき旅路に向ひました 今しもたどり着きしは越後の国今津の浦 日は暮れかゝれど宿はなし 如何はせんと案じ煩ふ折柄 新設気に話相手となりし山岡太夫の口入にて 二艘の船を今宵一夜の仮の宿と 子供二人は彼の船に 大人二人はこの船と 分れた時がこの世の生き別れ 頼みにした山岡太夫は 恐ろしや人売買の人浚ひ 地団太踏んで悔めども後の祭り姥竹は己が過失を詫びて自刃する 後に残りし母親は気も狂乱 母上様 安寿や厨子王やといふ悲しい声も 次第に磯吹く風に折消されて 淋しく残る秋の月影
かくて母親は 佐渡ヶ島雑太の庄に売られて粟の筵の雀追ひ 二人の子は丹後の国由良の港に鬼と呼ばれし三荘太夫の下に奴僕として使はれました 情け知らずの三荘太夫は女子供の容赦もなく 朝は未明より夜は宵まで こき使ひ 打ち打擲や責折檻は毎日の事 二人はぢつと堪へ忍んで 一心に父母に逢はせて下されと 神仏に祈念するばかりでありました
一年二年とたつ中に 到底父母に逢ふ望みのないのをさとりし姉の安寿は 弟を勧めて逃亡を企てました この謀は美事成功して弟の厨子王は中山の国分寺に入り曇猛和尚に助けられ やがて京に上り清水寺に落着きますと その持つてゐた守本尊放光地蔵菩薩の功徳により 関白藤原師実の娘の病気が治る この事から厨子王の素性が分り父正氏は赦免され 厨子王は冠を加へられて正道と名のり 丹後の国守に任ぜられました けれども正氏の赦免状が筑紫へ達した時は 正氏はもう死んでゐた 十幾年の厨子王の希望は無残にも嵐の花と吹き散らされた
正道が丹後の国守となり 直ちに丹後一国人売買を禁じ 三荘太夫の奴僕を全部解放させ 恋しい姉の安寿を引取らうと時 安寿は彼の逃亡後大雲川へ入水自殺を遂げたことが分つた 正道の第二の希望も かくて空しく水泡に帰した
風の便りにきく佐渡ヶ島 そこに母上が在すといふ この世に於いて唯一つ残された希望は 母に逢ひたい一事であつた 正道はこの女の姿に 心を引かれてならなかった その中に女の呟くやうに唄つている唄が 正道の神経にびりりと響いた
安寿恋しや ほうやれほ 厨子王恋しや ほうやれほ
鳥も生あるものなれば とうとう逃げよ 追はずとも
おう母上 と彼は自分を忘れて女の前に俯伏した 涙に泣きつぶれた女の目は 干した貝が水にほとびるやうに潤ひが出た 女の目は開きました
厨子王といふ声が女の口から出ました 二人はひしと抱き合いました
一・三・六・十三・二〇・二三日 昼夜公演
一日から二十五日まで・・・・・・毎日夜六時半開幕
◇お座席料御一人様金二十銭前売致します◇
◇喜歌劇 仇同志 一幕 四場
◇悲歌劇 雀追ふ母 三幕 四場
◇秋のヴァライテイ 八景
◆土耳古風行進曲
◆暁の唄
◆散紅葉庚申塚
◆ジヨリイ、フエロー
◆スペイン情詩
◆鼠捕る男
◆京舞子色合肩
◆秋は野原で
秋のヴアライテイ 八景
1 土耳古風行進曲 モツアルトの軽快な曲に 土耳古風の衣装をつけた踊子が 秋の木の葉の散り敷くを連想せしめる洋舞
2 スペイン情詩 情熱のスペインに於ける或る伝説の舞踊化
3 暁の唄 名映画キングオブジヤズ中の有名な暁の唄を取つて暁の星を寓意した舞踊
4 鼠捕る男 清元の鳥羽絵からヒントを得たる新舞踊
5 散紅葉庚申塚 錦絵の情緒を偲ぶ歌舞伎スケツチ
6 京舞子色合肩 流行小唄京舞子を取りいれた新舞踊
7 ジヨリイ フエロー 訳して愉快な奴といふ アメリカ気質を表はした身振
8 秋は野原で 秋の野原を背景に多数の乱舞
だるま屋
電話
一七三〇番
一七九〇番
一九六四番
二六八五番
二六八六番
コドモの国を
今度売場に致しました
食糧品と
お菓子と
二つの売場を そこにうつしました
食糧品売場には
和洋支御馳走の折詰
御弁当のおかず
御夕食のお惣菜
牛肉、玉子、天ぷら
洋酒、缶詰、鰹節
佃煮、果物、昆布類
突出し物からお漬物まで
一切がとりそろえてございます
お菓子売場には
生菓子、玩具菓子、袋物
餅類、洋菓子、パン、納豆
お饅頭に砂糖、羊羹
羽二十餅、けんけら、煎餅等
どうぞ
一度ごらん下さいまして
御利用のほど
御願い致します
清新なる設備
充実した内容
十一月一日より
特売品
産地より直接とり入れました御徳用の特売品
味付海苔 東海産
もみ海苔御徳用品 東海産
からし漬 琵琶島産
とてもうまい 静岡産
精肉 地肉
梅肉 今庄産
茶 静岡産
貝柱 北海道産
新巻鮭 北海道産
十一月の少女演劇
初舞台あけてから一周年記念
選ばれたる秋のヴァライテイ
喜歌劇「仇同志」 (一幕四場)
服部瀬左衛門と稲垣半兵衛とは 何れも加賀藩名代の勇士 それがどうした理由か 犬猿も啻ならざる間柄で会へば必ず喧嘩する 果ては決闘をも仕兼ねない程 双方の感情は硬ばつてゐた 或日瀬左衛門が 殿様のお召しにより登城する途中 半兵衛の下向と行き違ふ どうしてこのまま分れ行く両人でありませう 狸山猿と悪体の限りを盡し 僅かに下僕の取りなしで 燃え立つ激怒を抑へてこの場は分れました 瀬左衛門殿様の前に伺候して平伏したが 胸中の憤懣は尚も消えず殿の仰せも一向耳へはいらなかつた 再び問ひ返した時 娘の花に大槻内蔵之亟を世話するといふ殿の御諚 瀬左衛門聞いて驚いた 大槻内蔵之亟(加賀騒動の張本人)をば日頃から不忠不義の奸賊呼りをしてゐたのであるから 娘を世話されてはたまらない 窮余の一策 娘花には先約がござりますと言上すると 意地悪の殿様は相手の男はだれだと追及する 折柄頭の中には 憎き稲垣との一念が炎の様にもえてゐたので 我知らず稲垣半兵衛と口から出てしまふ 殿様は殿様は両人の間柄を御存じだから からかひ気分で それは似合いだ媒人をしてやらうとの仰せに今更お断りする訳にもいかず 悄然として帰つてきます
瀬左衛門宅では妻お貞と娘お花は 夫の不時の登城を何事ならんと気遣つてゐる処へ 瀬左衛門折萎れて帰つて来ます 一部始終を聞いて母も子も瀬左衛門の不用意不謹慎を詰り恨み泣く 瀬左衛門立つ瀬を失つて切腹して申分をしようとするのを お貞は押止めて これは稲垣様へ頼んで よい分別を相談するがといふ そして嫌がる瀬左衛門を無理やりに半兵衛の所へ出向かせます
半兵衛は 瀬左衛門が来たといふので 約束通り真剣勝負に来たものと思ひ出迎へる すると話の調子がすつかり違つてゐて 瀬左衛門の頑固一徹ではあり乍ら武士らしき忠誠と素直な心臓に打たれる そこで瀬左衛門の言ふ通り娘の花を貰ふことを誓ふ 傍にゐた半兵衛の妻お幸は 私はどうなるのかと恨み泣くのを尻目にかけて『なあ服部 合せものは離れ者だ 今日婚姻しても明日離縁をするのもあるからな』と胸中の秘策をほのめかすと 瀬左衛門もそれを察し『さうだ貴様気変わりがせぬ中に離縁しろ』とすゝめます ユーモアの中に漂う武士気質の痛快な短編
悲歌劇 「雀追ふ母」 (三幕四場)
陸奥椽平正氏は国守の違格に連座して筑紫に流罪となる その後十数年 消息絶えたる正氏の安否を尋ねんと母陸奥の方は安寿姫と厨子王及乳母の姥竹を伴ひ 遥けき旅路に向ひました 今しもたどり着きしは越後の国今津の浦 日は暮れかゝれど宿はなし 如何はせんと案じ煩ふ折柄 新設気に話相手となりし山岡太夫の口入にて 二艘の船を今宵一夜の仮の宿と 子供二人は彼の船に 大人二人はこの船と 分れた時がこの世の生き別れ 頼みにした山岡太夫は 恐ろしや人売買の人浚ひ 地団太踏んで悔めども後の祭り姥竹は己が過失を詫びて自刃する 後に残りし母親は気も狂乱 母上様 安寿や厨子王やといふ悲しい声も 次第に磯吹く風に折消されて 淋しく残る秋の月影
かくて母親は 佐渡ヶ島雑太の庄に売られて粟の筵の雀追ひ 二人の子は丹後の国由良の港に鬼と呼ばれし三荘太夫の下に奴僕として使はれました 情け知らずの三荘太夫は女子供の容赦もなく 朝は未明より夜は宵まで こき使ひ 打ち打擲や責折檻は毎日の事 二人はぢつと堪へ忍んで 一心に父母に逢はせて下されと 神仏に祈念するばかりでありました
一年二年とたつ中に 到底父母に逢ふ望みのないのをさとりし姉の安寿は 弟を勧めて逃亡を企てました この謀は美事成功して弟の厨子王は中山の国分寺に入り曇猛和尚に助けられ やがて京に上り清水寺に落着きますと その持つてゐた守本尊放光地蔵菩薩の功徳により 関白藤原師実の娘の病気が治る この事から厨子王の素性が分り父正氏は赦免され 厨子王は冠を加へられて正道と名のり 丹後の国守に任ぜられました けれども正氏の赦免状が筑紫へ達した時は 正氏はもう死んでゐた 十幾年の厨子王の希望は無残にも嵐の花と吹き散らされた
正道が丹後の国守となり 直ちに丹後一国人売買を禁じ 三荘太夫の奴僕を全部解放させ 恋しい姉の安寿を引取らうと時 安寿は彼の逃亡後大雲川へ入水自殺を遂げたことが分つた 正道の第二の希望も かくて空しく水泡に帰した
風の便りにきく佐渡ヶ島 そこに母上が在すといふ この世に於いて唯一つ残された希望は 母に逢ひたい一事であつた 正道はこの女の姿に 心を引かれてならなかった その中に女の呟くやうに唄つている唄が 正道の神経にびりりと響いた
安寿恋しや ほうやれほ 厨子王恋しや ほうやれほ
鳥も生あるものなれば とうとう逃げよ 追はずとも
おう母上 と彼は自分を忘れて女の前に俯伏した 涙に泣きつぶれた女の目は 干した貝が水にほとびるやうに潤ひが出た 女の目は開きました
厨子王といふ声が女の口から出ました 二人はひしと抱き合いました
一・三・六・十三・二〇・二三日 昼夜公演
一日から二十五日まで・・・・・・毎日夜六時半開幕
◇お座席料御一人様金二十銭前売致します◇
◇喜歌劇 仇同志 一幕 四場
◇悲歌劇 雀追ふ母 三幕 四場
◇秋のヴァライテイ 八景
◆土耳古風行進曲
◆暁の唄
◆散紅葉庚申塚
◆ジヨリイ、フエロー
◆スペイン情詩
◆鼠捕る男
◆京舞子色合肩
◆秋は野原で
秋のヴアライテイ 八景
1 土耳古風行進曲 モツアルトの軽快な曲に 土耳古風の衣装をつけた踊子が 秋の木の葉の散り敷くを連想せしめる洋舞
2 スペイン情詩 情熱のスペインに於ける或る伝説の舞踊化
3 暁の唄 名映画キングオブジヤズ中の有名な暁の唄を取つて暁の星を寓意した舞踊
4 鼠捕る男 清元の鳥羽絵からヒントを得たる新舞踊
5 散紅葉庚申塚 錦絵の情緒を偲ぶ歌舞伎スケツチ
6 京舞子色合肩 流行小唄京舞子を取りいれた新舞踊
7 ジヨリイ フエロー 訳して愉快な奴といふ アメリカ気質を表はした身振
8 秋は野原で 秋の野原を背景に多数の乱舞
だるま屋
電話
一七三〇番
一七九〇番
一九六四番
二六八五番
二六八六番
資料形態
大型古資料
制作者
日本
高さx幅(mm)
310x455
物理媒体/状態
折り込み