重要物産同業組合 関係資料

「大阪市史編纂資料」のうち51点が重要物産同業者組合関係の簿冊である。明治時代に入り株仲間が解散すると粗製品の乱造・乱売が生じ、同業商工業者の組合設立の動きが始まる。政府は明治17年(1884)に「同業組合準則」を定め、株仲間にかわる組合設立を促した(「準則組合」)。賛成多数で設立されると加入が義務付けられたが非加入者への罰則がなく実効が上がらなかった。そこで明治33年(1900)に「重要物産同業組合法」が制定され、以後、急速に普及した。しかし粗製品の取り締まりは組合に任されたため、「弊害の矯正」という目的は十分ではなかった。昭和に入り、工業組合や商業組合が法制化され、役割は低下し昭和18年に廃止された。
 すべて重要物産同業組合関係の簿冊として整理されているが、準則制定前の組合(仲間)、明治17年(1884)以降の準則組合段階のものを含む。法令で定められた規約等が中心で、それぞれの組合の活動内容が詳しくわかるわけではないが、明治期を中心とする、江戸時代以来の商工業や近代以降に現れる諸産業にかかわる中小営業者の、業種ごとに組織された組合の動向と大阪府の把握状況を考える重要資料である。