近世社会において、大工職人は領主・民間の膨大な建築需要のもとで社会的インフラを支える重要な存在であった。そうした需要の集中する都市においては、その存立を技術的・社会的に支える不可欠な存在であり、大工職人の存在形態を考えることは都市社会構造を考える上で重要な意味を持っている。本科研プロジェクトでは、〈史料と社会〉の視点から、都市における複合的な社会構造の研究を進めてきたが、大工集団(大工組)も、他の社会集団と同様に豊富に史料を作成し、残してきており、そうした視点から考察を深めていくことは、大工などの職人集団の歴史を考えていくうえで新たな展望を拓くことになろう。
そこで、今回の小円座では、大坂の大工組について、大工組自身が残した史料から都市の大工組の特質を考察した上で、大工組をめぐる法史料を手がかりに天保改革期の大工組のあり様について検討する報告を用意した。建築史学の立場からのコメントを得て、巨大都市大坂における大工職人をめぐる社会構造を議論する場としたい。
皆さまのふるってのご参加をお待ちしております。
チラシはこちら(PDF)
- 日時:2022年6月5日(日)13:00-17:00
- 場所:Zoom方式利用
- 報告:
- 田坪賢人氏 (大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程院生)
「大工組「解散」と大坂の大工組(仮)」
コメント: 谷 直樹氏 (大阪市立大学名誉教授)
- 田坪賢人氏 (大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程院生)
※参加希望者は、都市・周縁〈史料と社会〉科研事務局(kinnseiosakakennkyuukai@gmail.com)まで、事前に メールで申し込んでください(ZoomID・レジュメを送付します)。
主催:科研・基盤研究(A)「近世巨大都市・三都の複合的社会構造とその世界史的位置―〈史料と社会〉の視点から―」
共催:大阪市立大学文学研究科都市文化研究センター(UCRC)
連絡・問い合わせ先
科研事務局
〒558-8585 大阪市住吉区杉本 3-3-138
大阪市立大学大学院文学研究科 齊藤紘子研究室
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